Google翻訳が進化!人間の脳の仕組みをモデル化したアルゴリズムとは

2017年4月10日

最近、Google翻訳がアップデートされ、その性能が上がったことが話題になっています。 外国の言葉を書いたり、読んだりしなければならないときに、Google翻訳を活用される方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

そのアップデートで、翻訳の精度が格段に高まっただけでなく、「リアルタイム カメラ翻訳」も追加されました。 この「リアルタイム カメラ翻訳」とは、カメラに写っている英語を日本語にリアルタイムに翻訳してくれる機能です。 文字を入力する必要はなく、カメラで撮影するだけで翻訳文をチェックすることができるようになっています。

たとえば海外旅行や出張先で、看板やパンフレットの表記などをすぐに翻訳してチェックできるので、大変頼もしい機能ですよね。

Image:Google 翻訳 - Google Play の Android アプリ」より

このようにGoogle翻訳の精度やスピードが向上したのはなぜでしょうか。

「ニュートラルネット」で翻訳を高速化

本来、翻訳機能では、「統計翻訳」という手法がとられていました。 大量の対訳データを解析し、その統計結果から適した訳し方を割り出す仕組みです。 Webの登場によって、大量の対訳データを高速処理することで翻訳することが 可能となりました。

しかし、Google翻訳のアップデート後は、「ニュートラルネットワーク」を活用した翻訳方式が採用されています。 ニュートラルネットワークは、単語の意味だけでなく接頭辞や語幹、単語の位置なども考慮し、自然な文の流れを分析して翻訳します。

これはデータ分析からある傾向をつかむための、アルゴリズムの1つです。 「アルゴリズム」とは、目標に達するまでの手順を定式化したもので、効率性が重視されます。 このニュートラルネットワークは人間の脳の仕組みをモデルにしているため、 今回のアップデートで、Google翻訳は人間が頭の中で英文を翻訳する時のような処理の仕方をすることが可能になったのです。

Google翻訳の精度向上のカギはこのようにアルゴリズムを発展させた点にあります。

今話題の「ディープラーニング」とは

Google翻訳は「ニュートラルネットワーク」を活用して、高速で精度の高い翻訳を可能にしました。 この「ニュートラルネットワーク」を使って、コンピューターが自ら処理方法を蓄積し、学習することを「ディープラーニング」といいます。 コンピュータそのものがトライアンドエラーを繰り返し、最適な処理方法を学習できるようになっているのです。

そのため、人間の目ではわからない、がんの兆候を発見できるようになったり、画像あるいは映像から特定の固体を識別したりすることができるのです。

人工知能(AI)がチェスや、将棋、囲碁名人を打ち負かした背景にも「ディープラーニング」があります。 このように今や、特定の分野では人間の能力を超えるまで、コンピュータは進化しています。

Google翻訳のように、「ディープラーニング」を活用した開発が、私たちの生活をより快適することが予想されます。 アルゴリズムを理解すれば、より高度なプログラミングができるようになる上、これからのIT人材としても需要が高いことは間違いありません。

身近にある「アルゴリズム」に関心をもちながら、プログラミングの理解を深めていくことが大切ですね。

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