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W3Cが次世代Web技術のロードマップを発表

2016年9月25日

W3Cが次世代Web技術のロードマップを発表

W3Cが9月23日に「W3CのグローバルWebエクスパートがWebの未来のための技術ロードマップを計画」と題したプレスリリースを発表しました。

W3CはHTML5の仕様化を進めている時から「Open Web Platform」というキーワードを使っていますが、次世代Webを作り上げていく上で特にW3CがWebのプラットフォーム化を進めたい業界などを定めました。

以下、プレスリリースで挙げられている10の分野をリスト化してみました。

  • アクセシビリティ - WCAG 2.0はアクセスの良いWebサイト作りの基礎標準であり、政府や組織に世界規模で広く適用されています。来年までにWCAG 2.1用に項目を拡張し新しい作業を許可するため、また、すべてのW3C標準がアクセシブルであることを保証するための更なる堅牢で横断的なレビューを提供するため、当コミュニティが次の段取りを話し合いました。ARIA 1.1はCandidate Recommendationへの準備が整い、現在その実装状況を評価しているところです。
  • オートモーティブ - Web and Automotive Working Groupは車両インフォテインメント・システムと車両データ アクセスプロトコルを通してウェブ・コネクティビティを可能にしようとしています。つまり消費者が彼らの車両を通じて、道路状況、天気、買い物情報といった、より多くのデータやサービスにアクセスできるようになる日が近いということです。
  • 電子出版 - 出版コミュニティ、および、電子出版インタレスト グループは、電子書籍の進化、ならびに、オンライン/オフライン両方でよりリッチな読書/学習体験を提供するために必要とされる著者や出版社の要件をいかにウェブにもたらすかということについて協力しています。
  • エンタテインメント - Web and TV Interest Groupはエンタテインメント業界における新しい機能について議論をしました。TV コントロール ワーキング グループはWebページにブロードキャストコンテンツをもたらそうとしており、Second Screen Presentation Working GroupはWebコンテンツを別スクリーンに表示するためのAPIを定義しているところです。
  • テレコミュニケーション - Web Real-time Communication Working Groupは、いかなるネットワーク上でも音声や映像コミュニケーションを可能にしようとしています。
  • Open Web Platform - CSSワーキング グループは、2016年に、6件の新しいRecommendation、および、Flexible Box Layout level 1を含む22件のCandidate Recommendationを公開しました。Web Platform Working GroupはHTML 5.1をCandidate Recommendationまで進め、今秋までにstandardとすることを予定しています。また同時に、HTML 5.2のFirst Public Working Draftを発表しました。
  • Web of Data - Data of the Web Best Practices Working Groupは、Web上のデータの共有、オープン化、または最大限の相互運用性を確実にするためのガイダンスを定義しようとしています。
  • Web Payment - Web Payments Working Groupは、オンライン支払いのプロセスや支払いの簡易化、そしてよりセキュアな支払いを実現するためのAPIを定義しているところです。
  • Web Security - Web Authentication Working Groupは、パスワードによるログインシステムの代わりになり、よりセキュアでフレキシブルな仕組みの開発に取り組んでいます。
  • Web of Things - Web of Things Interest Groupは、IoTのプラットフォームとアプリケーション層のインテグレーションを簡単にするためのメタデータの標準化を進めています。

上記の他にも、プロックチェーンや、AR/VR、NFCなどWebとの親和性の高い技術やコンセプトの名前も挙げられています。これらの産業に対してW3Cが積極的に取り組むということは、業界のニーズをWeb技術が取り入れていくということになります。つまり、HTML5やJavaScriptのAPIを活用して、たとえばIoTプロダクトの開発だったり、エンタテイメント関連コンテンツの制作だったりが、より一層身近になるということだと思います。いま、Web技術を使って仕事をしている人にとっては、活躍の場となり得る業界の幅が広がるとも言えるのではないでしょうか。今後も引き続き、各業界ごとのW3Cの取り組みのアップデート情報も配信していきます。

本ブログは、日本初Web専門スクールのインターネット・アカデミーの講師が運営するWebメディアです。 スクールの情報はもちろん、最新のWebデザイン・プログラミング・Webマーケティングについて役立つ情報をご紹介しています。

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現在、マサチューセッツ工科大学のW3C本部に在籍し、HTML開発とインターネット・アカデミーのカリキュラム開発を担当する。

海外支店責任者として、アメリカとインド、日本を行き来する。5年間、マサチューセッツ工科大学のW3C本部に在籍し、HTML開発と普及活動を行ってきた経歴を持つ。

日本の新宿校、渋谷校インストラクター。主にWebマー ケティングとクリエイティブ系の授業を担当。

バンガロール校インストラクター。デジタルマーケティング が専門分野。

Google認定Webマーケティング講座の企画・開発に携わる。「PHPカンファレンス2011」で講演。「PHP公式資格教科書」の執筆など

バンガロール校支店長。Webプロデューサー、インストラクター、エリアマネージャを経て、現在はグローバル展開のビジネスディベロップメントを担当。

「W3C"HTML5 Tour"」での講演や、インド校にてWebデザイナーおよびチーフインストラクターを勤めた経歴を持つ、人気キャリアプロデューサー。

フランスにあるW3CのEUホスト、ERCIM(欧州情報処理数学研究コンソーシアム)に常駐し、Webの研究を行うインド人インストラクター。Webマーケティングに精通している。

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